株式会社 真工社
HOME»  めっき講座»  金めっき

金めっき

金めっきは装飾はもちろん電気的特性や安定性を活かした工業的用途まで幅広く利用されているめっき技術です。

金めっきの歴史は古く、日本各地の古墳からの出土品には、金めっきが施された青銅器などが多くあります。
よく知られているところでは752年に造立された、奈県東大寺の大仏が金めっきされたものと言われています。

 
金めっきは耐食性に非常に優れており、剥がれることはあっても、金めっき自体は変色や腐食をしません。またその美しさから装飾用途にも適しており、さらに電気伝導性や展延性に優れ、工業用途にも適しているという美観付与に留まらない優れためっき技術です。

金めっきは太古の昔からある技術で、奈良東大寺の大仏や、日本各地の古墳から出土する青銅器の金めっきはアマルガム法と呼ばれる方法で施されました。

アマルガムとは、水銀とその他の金属との合金の総称のことで、奈良東大寺の大仏は金アマルガム法という技術(金を水銀に溶かし、塗布後水銀を焼き飛ばして金の被膜を生成する方法)で金めっきを施されました。

また、このころは電気を使わない、置換めっきが主なめっきの手法でしたが、1800年にイタリアでのボルタ電池をはじめとする電池の発明以降は、電気めっきが可能となり、現在は電解めっき、無電解めっき処理として利用されています。

なお、電気を通さない素材やめっき製品の奥まったところなど、電気めっきがしにくい部分には、無電解金めっき(置換金めっき)でめっきをします。

 

●金めっきの技術



例えば、プリント配線板のパターンなどに利用されているのが、置換金めっきです。
 
錯化剤のシアンイオンが置換反応をコントロールし、ニッケルと金の置換反応の橋渡しを行います。
電気金めっき液にはアルカリ性と酸性があります。

金めっきに使われている金めっきの液はさまざまあり、金イオンの供給源として、シアン化金カリウムが使用されるので、アルカリ性のシアン化金めっき液が広く使用されています。

一方で、酸性のクエン酸浴やリン酸浴の金めっきもあります。金濃度に対してクエン酸を高濃度で管理することで、電析をコントロールし、浴の伝導性を高め、phを緩衝させます。

被膜調整添加材として、コバルトを微量ながら添加することで被膜の結晶構造を変化させ、被膜を固くすること
が可能になります。

装飾金めっきは、一層または二層の下地めっきと仕上げめっき(金めっき)の協力関係で成り立っています。 下地めっきには光沢や艶消しなどの外観に豊富なバリエーションを与えてくれる銅めっきやニッケルめっき、無電解めっきなどが使われます。

工業用途では見た目の美しさだけではなく、長持ちさせるという要素も重要になってきます。そのため下地めっきには装飾性とともに、製品のさびや腐食を防ぐ防食性の向上という役割もあります。

●金めっきのメリット



1800年頃にイタリアで発見された電気金めっき技術は、その後1840年頃にイギリスで発明された薄めっきのシアンアルカリ浴が主流でした。

しかし第二次世界大戦後、電子工業や航空宇宙技術の発展により、機能性・信頼性の要求が高まり、金めっきが工業的な分野で利用されるようになり、応用範囲が急速に拡大されました。

理由としては金めっきの特性である、優れた耐食性・銀に次いで小さな電気抵抗性・熱伝導にも優れ高温での使用が可能なこと:これら信頼性につながる優れた特性を持っていることや、電子工業の中核的材料のシリコンと、共晶による接合が可能なことで飛躍的な普及を果たしました。

 

●金めっきの規格



金めっきの規格は日本工業規格(JIS規格)にて、JIS H 8620(工業用)・JIS H8622(装飾用)として制定されています。

海外規格としてはASTM B488・MIL G45204C(アメリカ)・国際規格としてISO4523があります。

また、工業用電子部品では、機能的な品質要求に基づいた試験・検査法が行われることや、電子・電気部品の試験法による規定(MIL202D)に基づく場合もあります。

 

●硬質金めっき



硬質金めっきは電子機器の耐摩耗性を要求される部品に多く使用されます。特に電子部品のスイッチの接点になる部分など、動きの多い部分に多く使用されています。

金めっきは、素材としての耐食性・高い導電性から電子部品に適していて、非常に高い信頼性を誇ります。 添加される添加剤の違いから「硬質」と「軟質」 の二種類に分けることができ、そのうちコバルト・ニッケル・ インジウムを含む添加剤を含んだものを硬質金めっきと呼びます。

ニッケルやコバルトを微量から少量添加した硬質金めっきは、純金めっきに比べ、硬度が約2倍、耐磨耗性が3倍に向上するといわれています。 

 

●純金めっき


 

純金めっきは(純度99.9%)半導体部品の接合用として使用されます。その他IC部品や薄膜の回路・電極などにも用いられます。

純金めっきは純度が極めて高く、熱・圧力・超音波をかけると容易に金線やアルミニウム線に接合でき、金スズ半はんだ濡れ性も極めて良好となります。

 
家庭用品での金めっきは、照明器具・時計・袋物金具などに使用されています。電気めっきでは24Kから14Kまでの幅広い合金比率の金めっきが利用されています。

添加する金属の種類により色調を、白・緑・ピンクなど比較的容易に多様に変化させることができます。
 
自動車関連部品での金めっきは、エンブレム・バックミラー・内装部品など装飾用途に用いられています。
 
コンピュータにはめっきが随所に施され、多様な機能をもたせています。半導体パッケージの内部配線として使われる薄板の金属(リードフレーム)には、外部の配線との橋渡し役として高純度の金めっきが利用されています。
 
電子機器で使われる数多くの電子部品では、金めっきが重要な役割を担っています。
ICヘッダーやプリント基板の端子部分には高い伝導性の特性を活かした金めっきが施されています。
 
その他、金めっきは二元や多元合金のめっき化による、多色調化が行われています。

 
金めっきなどの変色や腐食などの分析結果では、塩素や硫黄、酸素などのほかに、下地めっきや素材の元素が検出される例が数多くあります。

これは腐食因子の影響で、下地のめっきや素材の酸化物や腐食の生成物が金めっきのピンホールを通じて表面に出てくることで、変色や腐食を招いたと推測されます。

めっきの膨れはがれは、素材の界面にめっき被膜以外の介在物があったことが原因の密着不良です。
その他、めっき中の電流中断・作業の中断・後工程の熱処理加工などでも膨れ・はがれが発生します。

 
 
金は人類が最初に発見した金属といわれています。また、めっきとしても初めての金属といわれています。前述のとおり、古代仏像などの金めっき(金アマルガム法)はよく知られているめっき技術です。

一般に貴金属と呼ばれている金は、イオン化傾向が小さく、化学的に安定しています。
そのため耐食性・耐熱性に非常に優れ、外観の変化がほとんどないという特性があります。
 
金めっきの利用価値は、古くは装飾や工芸品に限られていましたが、第二次大戦後あたりから金特有の物理的・化学的性質が注目されて、工業的利用が急増しました。
 
今日では装飾製品に限らず、電算機・通信機器やエレクトロニクスの分野において信頼性を要求される部品・回路などに不可欠な存在となっています。