株式会社 真工社
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エッチングとは?

エッチング (Etching) とは、化学薬品などの腐食作用を利用した表面加工の技法です。
素材表面で加工を行いたくない所にはレジスト処理を行います。

それにより素材表面が守られ、レジスト処理を行っていないところがエッチングされ目的形状を得る事ができます。
 
銅版による版画・印刷技法として発展してきた歴史が長く、銅や亜鉛などの金属加工に使用されることが多かったです。
しかし素材が腐食性のあるものであれば様々な表面加工に応用可能です。

現在は金属プレス加工などで難しい複雑な加工のために使用されています。
また携帯電話等、電子機器に使用されているプリント基板、ICのリードフレームなどの厚さ数十から数百μmの金属部品などを製造するために必要な技術なのです。

 
エッチングには液体を使うウェットエッチングと、反応性のガスを使用する
ドライエッチングがあります。

それぞれ等方性エッチングと異方性エッチングの2種類あります。

・等方性エッチング


等方性エッチングは、マスキングテープをしていない所より下方向だけでなく、
横方向へも同じ速度でエッチングされるためマスキングテープで保護した直下もえぐられます。

犠牲層を取り去るときにはこの方法を使います。

 

・異方性エッチング


異方性エッチングは、マスキングテープで保護した直下は守られますので基盤が露出している場所をある方向にだけエッチングしたいときに使用されます。
 

・ウェットエッチング


 ウェットエッチングでは、エッチング速度の結晶異方性を利用します。

・ドライエッチング


 ドライエッチングの場合は垂直にイオンをぶつけて垂直方向だけをエッチングします。
そのためマスキングで保護した直下は加工されません。
異方性は結晶構造の違いによる縦横の反応性の違いを利用して縦横比の大きい構造を形成する技術です。

反応に用いる薬剤は反応性が弱い種類を使用する為、処理に時間がかかります。
綿密に濃度、温度の管理をする事が必要です。
現在一般的にプラスチックめっきで使用されているエッチングはクロム酸エッチングです。
また、一般的にプラスチックめっきで使用されていますのがABS樹脂です。

ABS樹脂はブタジエン成分を有しています。

エッチングの役割としてはクロム酸がABS樹脂のブタジエン成分を酸化溶解することで微小粗さのある表面にする事です。

この工程が正常に行われるとめっき皮膜の密着性の良い物が得られます。
この効果をアンカー効果と言います。

ABS樹脂のブタジエン成分が酸化溶解不足時は密着性の低下、過剰時には樹脂の強度が低下し、結果的に密着性が損なわれアンカー効果が効かない状況となってしまいます。

 
プリント基板の製造方法で一般的なものはサブトラクティブ法とアディティブ法が挙げられます。
 

・サブトラクティブ法


 最初から銅箔で全面覆った基板を使い、配線回路以外の銅箔をエッチングすることで回路を形成する方法です。この時使われる基板を「銅張積層板(CCL)」と呼びます。
この方法では、最初に配線パターンとして残す部分を腐食液(エッチング液)が侵されない材料でマスキングします。その後、塩化第二鉄液などの銅を溶かす薬品を使用し、マスキングされていない部分の銅箔をエッチングして配線パターンを成形します。

・サブトラクティブ法


 最初から銅箔で全面覆った基板を使い、配線回路以外の銅箔をエッチングすることで回路を形成する方法です。この時使われる基板を「銅張積層板(CCL)」と呼びます。

この方法では、最初に配線パターンとして残す部分を腐食液(エッチング液)が侵されない材料でマスキングします。その後、塩化第二鉄液などの銅を溶かす薬品を使用し、マスキングされていない部分の銅箔をエッチングして配線パターンを成形します。


サブトラクティブ法は精度が高いですが、エッチング技術による制限から、配線幅と配線間隔を大きく確保する必要があります。

現在では、それぞれの最小値は100μm程度の値が求められています。
しかし、幅と厚さ(エッチング深さ)の比率が大きいと、エッチンングを垂直に行うことが難しくなるので銅箔を薄くし(高さを低くし)、幅と厚さの比を小さくすることで対策がとられています。

 

・アディクティブ法

 

 アディティブ法はサブトラクティブ法の逆で、銅箔を張っていない基板の表面に銅などの導体で配線パターンを形成する方法の事を言います。
 
アディティブ法では、絶縁体であるベース材の上に導体で配線パターンを形成します。

アディティブ法にはいくつかの配線パターン方法があり、大きな区分けとしては、絶縁体に配線パターンを直接成形する「フルアディティブ法」と、一度全面に銅を積層し、その銅をサブトラクティブ法で配線パターンを形成する「セミアディティブ法」があります。

一般的に、アディティブ法はサブトラクティブ法よりも配線の精密化が実装できます。
金属加工は一般的にレーザー加工、プレス加工、フォトエッチング等が挙げられます。
その中のフォトエッチング加工とは、加工形状(パターン)を材料にマスキングし、不要部分を腐食液でエッチング加工する方法です。

レーザー加工やプレス加工に比べ、多数個が同時に加工でき、量産性が良い事やバリ・歪み・カエリ・加工硬化のない高精度加工が可能です。
 
それぞれの産業で使用されているエッチングは一般的に強酸性や有毒の薬品を使用しています。プラスチックめっき業界ですとクロム酸が主流です。

近年、環境問題から六価クロムの使用が規制(REACH規制など)されつつあり、50年以上続いてきた六価クロム-硫酸に変わるエッチング技術が求められています。

直近の代替技術として過マンガン酸塩によるエッチングや強酸化剤を用いない新たな手法として、電解硫酸エッチングやUV(赤外線)改質法、オゾン水による改質法、分子間接合法による技術も発展してきています。

どれもクロム酸によるエッチングと同等のエッチング形状が得られていますが量産性、安定性、設備性、コストなどで問題があります。

しかし、今後も発展して行けば有毒性のない強酸化剤や強酸化剤を用いない新たな手法が使用される日が来ることでしょう。