株式会社 真工社
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めっきと塗装

自動車やロボットなどのプラモデルを作った人なら一度は思うことがあります。

「色を塗ったりしてキレイに仕上げたい!」
「表面に光沢感を持たせたい!」

私もプラモデルを作っているときに憧れた記憶があります。
よくめっきと塗装が一緒のようにとらえられることがありますが、実際は全く別の工程です。

今回はめっきと塗装の工程についてご説明します。
 
 

●めっきとは?


 めっきとは対象物の表面に金属の膜をつける加工処理のことです。
めっきの目的として、下記が挙げられます。

・金属や製品をサビなどから防ぐ
・製品外観の装飾性を高める
・製品を電磁波から守る等機能を持たせる
 
皆さんの生活の中で住宅設備や自動車部品、電子部品などにめっきは使われており、
「これもめっき品だったの!?」と驚かれると思います。

●めっきの種類


 めっきは大きく二つに分けることができます。

・湿式めっき…薬品や液に浸漬させ、対象物に金属を付着させる方法
・乾式めっき…金属を気化させることで対象物に金属皮膜を付着させる方法
 
 どちらも共通して言えることは対象物に金属の膜を付着させるという点です。

●湿式めっき


電気めっきとは?

薬品や金属の溶けた液に対象物を入れ、電気を流す方法です。薬品やめっき液の温度は100℃を超えることはないため、対象物へのダメージも比較的少ないと言えます。また、めっきできる金属の種類が多いのも特徴です。
 

無電解めっきとは?

電気を使わず、化学反応で対象物へ金属を付着させる方法です。ただし、厚みを求められるめっきには向いておらず、めっきの付く速度も遅い点があります。
 

・溶融めっき

高温の金属浴槽の中に対象物を入れ、表面に金属を付着させる方法です。無電解めっきとは違い厚みのあるめっきが可能です。そのため、屋外の構造物や橋の部品などに用いられ、防錆を目的としていることがほとんどです。
 

●乾式めっき


・物理蒸着法(PVD)

 真空蒸着
金属の蒸気圧をそのまま利用して表面に金属の膜をつける方法です。蒸気圧が高い物質ほど容易に蒸着ができます。蒸発源の加熱方法は使い分けがされており、抵抗加熱と電子ビーム加熱の二つがあります。
 
 イオンプレーティング
真空蒸着同様の方法で物質を蒸発させて金属皮膜をつける方法。高周波励起法(RF法)、活性化反応蒸着法(ARE法)、中空陰極放電法(HCD法)、アーク蒸発法など処理方法が多岐にわたっています。
 
 スパッタリング
対象物を陰極(マイナス)、金属を陽極(プラス)にして、減圧状態で高電圧を加えることで対象物に皮膜をつける方法です。
 

・化学蒸着法(CVD)

 熱CVD
ガス制御を用いて加熱した対象物に金属の膜を付着させる方法のことです。つきまわりにすぐれていることから、金型などに使われています。
 
 プラズマCVD
熱CVDと違い、プラズマを用いて対象物に金属の膜を付着させる方法です。熱に弱い対象物でも対応が可能であり、加えてなめらかな表面に仕上げることができます。
 
塗装は対象物にスプレーやローラーを使って塗料を塗ることです。

めっきを含む表面処理の中で最も多く利用されている手法が塗装です。
自動車の外装、電子部品、住宅部品や看板など多岐にわたって利用されています。
 
 塗装の目的としましては、下記が挙げられます。

・対象物に美観を持たせる
・対象物の劣化から保護する
・光を反射させるなどの機能性を持たせる
 
めっきの目的と近い印象を持ちますね。
前項では塗装の概要、目的についてご説明しました。
こちらでは塗装の種類についてご説明します。
 

●スプレー塗装


塗料をスプレーガンで噴霧させて塗装する方法で、コンプレッサーによる空気圧で塗料を噴霧させます。
特にスプレーガンは取り扱い性の良さや仕上がりの良さや安価な点があり、多く使用されています。
最近では環境保護や法規制の観点から低圧スプレーガンを使うところもあるようです。

 

●静電塗装


スプレーガンと対象物に直流電圧をかけて塗装する方法です。
噴霧された塗料の粒子は電気を帯びており、対象物へ引っ張られるように塗装されます。
そのため、塗装効率が良く、塗装ミストも少なくなるため、環境にも影響が少ないものとなっています。

 

●電着塗装


電気めっきと同じように塗料液の入った槽に対象物を浸漬させ、電気を流して対象物に塗装をする方法のことです。主に自動車のボディーに防錆目的で塗装をするために使われています。電着塗装は電気の通るものに塗装できるため、印刷やめっきなどを組み合わせて製品をさらに鮮やかに仕上げることができます。
 

●粉体塗装


粉末にした塗料を対象物の表面に付着させ、熱によって粉末塗料を溶かして塗装する方法のことです。
溶剤を使わないため低公害であること、粉体の為付着しなかった塗料は再利用が可能なこと、塗料の調整が不要である点など環境への影響が少ない点があります。

 
今回はめっきと塗装の工程についてご説明しました。
めっきと塗装を一言ずつでまとめると…

・めっきは対象物に電気や化学反応で金属の膜を付着させる工程のこと
・塗装は対象物に塗料を塗る工程のこと

少しでも両者のことを理解していただけたなら幸いです。